あがり症は精神疾患?克服方法はあるの?

あがり症は精神疾患?克服方法はあるの?

あがり症は「社会不安障害」の可能性がある!

あがり症は「社会不安障害」とも呼ばれ、不安障害の中で最も多いタイプ。

 

社会不安の特徴は、他人と話したり食事をしたり、人前で何かをすることで注目を浴びるかもしれない状況に対して強い不安を感じ、その状況を避けようとする回避症状があること。

 

その背景には、他人から不利な評価を受けるのではないかという不安がある。

 

正常範囲内の社交不安と、治療が必要な社交不安障害との間に明確な線引きは特にない。

 

正常範囲内とされる社交不安、いわゆる性格的人見知りは、例えば知り合いのいないパーティーに行くと不安になるとかの症状が出るけど、特に治療を必要とするわけではないね!

 

でも、人付き合いが避けられない場面についての不安や、症状が生活に支障をきたすくらいだと、社交不安障害と診断される。

 

不安を感じる場面としては、他人に紹介される、他人から批判される、注目される、行動を見られる、公言や演説をする、権威ある立場の人に会う、話す姿を見られる、電話をかける、飲食する、公共の場でトイレに行く、などなど。

 

このような場面では、不安や恐怖が出て、心拍数が上がり、赤面したり、急に汗をかいたりすることもある。

 

他には喉や口の中がカラカラになる、体が震える、筋肉がピクピクするなどの症状がみられます。醜形恐怖を伴うこともあるね。

 

社会不安障害は若年で発症することが多く、社会不安障害の患者さんの50%が11歳までに、90%が23歳までに症状を自覚していると言われている。

 

逆に、25歳以降に発症することはほとんどないんだって!

 

その理由は、この幼児期に家族以外の人との関係が形成されることで、自分が他人からどう見られているかという自意識が形成されるためと考えられているから!

 

他人から拒絶される体験は強いストレスとなり、社会不安障害の引き金となることがある。

 

社会不安障害の人は、無口で内気、引っ込み思案と思われがちで、他人に興味がないように思われるけど、それは誤解!

 

実際には、友達を作りたい、人の輪に入りたい、社会的な交流に参加したいと思っていても、不安症状のためになかなか踏み出せないことが多いんだよね。

社会不安障害の人は、自分の不安が事実無根で合理的でないとわかっていても、不安をコントロールすることができない。

 

不安を伴う活動は、完全に避けるか、強い恐怖を感じながら行うかのどちらかになる。

 

不安は生活の多くの局面で出るから、学業や仕事に支障をきたすことがある。

 

社会生活に支障をきたす場合は、病気として治療することが必要みたいね。

 

症状が重い場合、他人の視線に非常に敏感になり、他人が見るよりも自分の細かい部分や欠点に注意を払うようになる。

 

ひどい場合は「みんなの前で恥をかいたらどうしよう」と予期不安が高まり、学校や職場に行けなくなることもある。

 

それが実際の批判をはるかに超えた自己否定感につながると、「自分は情けない」と自分を責めてしまい、うつ症状やアルコール依存症につながる危険性があるから注意。

社会不安障害(あがり症)のメカニズム

社会不安障害の発症には、性格的な要因のほかに、きっかけとなる出来事があることが多いそう。

 

人前で発表するときに赤面するなどの恥ずかしい経験をすると、「また人前で恥をかくのではないか」という予期不安を持つようになる。

 

再びこの状況に直面すると、緊張のあまり、火照り、手の震え、心拍の乱れ、発汗などの身体的な反応を伴うようになるんだけど、この時に海馬が過去の経験を記憶として思い出し、前頭前野が状況を判断し、その情報が扁桃体に伝達される。

 

扁桃体は、その状況を危険であり避けるべきだと判断し、不安や恐怖を感じるようになって、脳のさまざまな部位を活性化させ、身体的な反応を起こさせる。

 

脳幹の側坐核を刺激すると、ノルアドレナリンが放出され、心拍数が上がったり、手や背中に汗をかいたりする感覚が生じる。

視床下部を刺激すると、副腎からのコルチゾールの分泌が増加し、血圧が上昇し覚醒状態になる。

 

実際、社会不安障害のある人では、扁桃体と島皮質の活性化が増加していることが分かっているんだって!

 

特に、扁桃体の活性化の程度は不安の強さと関係があるみたいで、扁桃体そのものや扁桃体に起因する脳の異常な反応を鎮めることが症状の改善につながるとの事。

社会不安障害(あがり症)の治療方法は?

社会不安障害の未治療の場合、数年後には約30%の患者さんが無症状になるというデータがある。

逆に言えば、半数以上の患者さんは何らかの症状を持ち続けることになるということ。

 

社会不安障害の治療には、薬物療法と認知行動療法が最も効果的みたいだけど、オレは専門家じゃないから、薬物療法は軽く触れるだけにしておくね!

社会不安障害(あがり症)の薬物療法

(1) βブロッカーまたはαβブロッカー

(2) ベンゾジアゼピン系薬剤

(3) 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)または選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

社会不安障害(あがり症)の認知行動療法

社会不安障害には、認知行動療法もある。

 

社会不安障害は、他人から否定的に評価されることへの恐怖、過度の自意識過剰を伴って、「他人に良い印象を与えなければならない」という固定観念を持つことが多い。

だから「自分はうまくできない」という思い込みと相まって、実際よりも自分を否定的に評価してしまうことになる。

 

自意識が過剰になると、他人から否定的に評価されることへの恐怖がさらに強く感じられる。

 

実際には、他人は自分が思っているほど否定的ではないことが多いんだけど、自分の気持ちばかりに気をとられて、周囲の人を冷静に観察することが難しくなるんだよね。

 

その結果として、社会的な状況を回避する行動習慣が身につきにくいみたい。

誤った固定観念を修正し、過剰な自意識を排除し、適応的な行動パターンを獲得することが必要。

 

そのためには、自分の思考のクセを自覚することが有効で、認知行動療法では不安や落ち込みを感じた出来事を書き出すのが推奨されている!

書き出す作業の手順

(1)何が起こったのか?
その出来事と自分の行動をできるだけ具体的に、一つの出来事を切り離して書いてみる。

 

(2) どのような気分だったか?
そのとき感じた気分を、うれしい、悲しいなどの一言ですべて書き出す。それぞれの気分を0〜100%の範囲で評価してみる。

 

(3) どのような考えが浮かんできたか?
自動思考とは、時々頭に浮かんでくる考えやイメージのこと。それらを題材に書き出してみる。

 

(4)その考えが正しいかどうか、事実を振り返る
なるべく客観的な事実を書くようにする。

 

(5) アイデアと矛盾する事実を振り返る
自動思考と矛盾する事実を探し、反証を探そう。

 

(6)バランスよく考える
証拠と反証をもとに、新しい考え方を導き出してみよう。

 

(7)気分は変わったか?
自分の気分を書き出してみる。

新しい考え方に基づいた行動計画を立てる。

 

 

自動思考をうまく思い出すには、練習が必要!

 

自分のことをどう考えていたか、他人のことをどう考えていたか、こうなるのではと心配したことはなかったか、振り返ってみよう。

 

思い込み、白黒思考、べき思考、自己批判、深層心理など、あなたの思考には癖があるかもしれない。

 

強い気分と関連する思考を「ホットオートマチック思考」と呼ぶ!

 

辛い気分の時に反証を考えるのは難しいけど、自分に足りないものはないか、他の人が自分の立場だったらどうアドバイスするか、自分の手に負えないことで自分を責めていないか、過去に自分の思考がどのように役立ったかなどを冷静に振り返ってみよう!

カウンセリングも視野に入れる

自力での解決が難しい場合は、カウンセリングとかの専門家の助けを借りるのも有効!

 

通常、認知行動療法は1セッション45~50分で、10回以上のセッションが標準的。

 

不安の背景にある考え方に気づくことで、見方を変え、不安を引き起こしにくい適応的な考え方を身につけることができる。

 

そして、あえて不安な状況に直面することで、その状況に対処する自信を得られることもある。

 

そうした経験を通じて、不安を克服していくこともできるみたいだよ!

 

※オレは医療従事者ではないので細かい話は専門家に聞いてね!